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重箱の隅

この映画は重箱の隅がつつけるくらい作りこまれています.ここではそのいくつかを紹介します.発見次第更新中.

○ Twin Pines Mall

これは一番最初にタイムマシンの実験をしたときのモール(商店街)のことです.Twin Pines Mallを訳せば「2本の松があるモール」.実験を終えた後のドクの言葉にもあるように,モールのある場所はピーボディという人の土地であって,松を栽培していました.それでマーティーがタイムスリップした先(1955年のモールの場所)はその通りピーボディさんの農場だったんです.ただそこから逃げ出すときにマーティーは2本あった松のうち1本をデロリアンで倒してしまいました.無事1985年に戻ったときドクを助けるべくマーティは再びモールに戻ります.このときモールの名前は,Lone Pine Mall(「1本の松があるモール」)になっています.

○ ヘアドライヤー

マーティーが宇宙人に扮してジョージを脅すシーンでマーティーの腰にはドライヤーがあります.1955年にはない代物がそこに映っているのには理由がありました.ドクが未来へ行ってくると言って持っていったかばんの中に,どうやらそのドライヤーがあったようです.実際には55年のドクがドライヤーを見て驚いているシーンがあったんですが,本編ではカットされてしましました.(The secrets of the Back to the Future Trilogy より)

○ パート1の終わり

この映画は3部作になっているために,パート2とパート3の冒頭にそれぞれパート1,パート2の最後のシーンが挿入されています.1と2ではマーティーが車庫の扉を開けて4WDを眺めるところからジェニファーを連れて未来へ行くまでがその部分にあたります.まったく同じように作られたこのシーンに決定的な違いがあります.それはジェニファー役の女優が違うということ.パート1ではクラウディア・ウェルズという女優さんが演じているんですが,続編決定時に個人的理由から降板.パート2と3ではエリザベス・シューという女優さんが演じています.

○ ビフの苦しみ

タイムマシンを盗み出すことに成功したビフ老人が過去から2015年に戻ってきたシーンで,ビフ老人はかなり苦しんでいます.本編からカットされたシーンではドク一行がデロリアンで出発していくときに,ビフはデロリアンを見上げながら道路に倒れこみその世界から消えてしまいます.苦しんでいる原因はパート1でのマーティと同じく存在が消えかかっているからですが,ではどうして消えかかっているのでしょう.真相は不明です.とりあえずはあまりにもひどい仕打ちにロレインがビフを射殺したことになっているんですが(The secrets of the Back to the Future Trilogy より),もしかしたら過去から戻ってきた瞬間に心臓発作が起こったかもしれません.

 
○ 日付に注目

パート2で,気絶したジェニファーを連れ戻して悪夢の1985年に帰る場面.後にマーティーがビフに年鑑をいつ手に入れたかということを聞きに行くことになるんですが,実はここでもうビフ老人がいつへ戻ったのかということを知ることができます.目標時間などが表示されるディスプレイの一番下,黄色で表示される出発時間の表示が NOV 12 1955 p.m. 6:38 となっています.つまり直前のタイムトラベルの出発点が1955年11月12日ということです.これに気がついていたらマーティーは命がけでビフに日付を聞きに行かなくても済んだわけです.

○ クララ?

パート3で,ドクが蒸気機関車でデロリアンを押す計画を考えるのに駅で地図を見ているとき,マーティーの「ここに橋はないよ」という台詞の画面にクララのうしろ姿が映っています.本来ドクはこの時間にクララを駅へ迎えに行くはずでした.この後,迎えがないクララは1人で馬車を借り,新居へ向かうことになるのですが・・.

○ イーストウッド峡谷

マーティーが1885年から1985年に帰ってきたときに踏切の奥の方に見える看板に書いてあります.この谷は元々ショナシュ峡谷という名前でした.そして本来ならドクが1885年にはいないのでクララは峡谷に落ちてしまい,その名をとってクレイトン峡谷と.しかし1885年にドクが来てしまったため,クララは峡谷には落ちず,名前もショナシュ峡谷のままのはずでした.ビュフォード・タネンとの決闘に勝って去っていったヒーロー,クリント・イーストウッドことマーティーの名前をとってイーストウッド峡谷になったんでしょうか.

○ デロリアンがもう一台

パート2の始めに未来へ旅立つデロリアンと,未来のヒルバレーに着陸するデロリアン.この2つのシーンはお話上つながっていますが,違うデロリアンが登場しています.その区別はマシンの後ろの排出口でわかります.はじめに出てくるのはリアランプにかぶさるくらいまでの大きさがありますが,未来についてからのものは明らかに小さいです.実際に映画で使用されたデロリアンは7台だそうですが,中には運転席の撮影用というのもあります.つまり運転席の部分だけで,ボンネットと運転席の後ろがありません.フロントガラス越しのシーンはこれが使用され,例えばビフの年鑑を取り返しに55年へ向かうシーンがそうです.運転席部分だけのデロリアンには次元転移装置の真上にあるはずの機械とそこから伸びる金属のベルトがありません.ちなみに撮影に使われたもののうち1台は今もスピルバーグの所有物だそうです.

○ 未来でのデロリアン

パート2に出てくるデロリアンはほとんど空を飛んでいます.そのほとんどのシーンは1/5スケールの模型による撮影です.その模型をいかに本物と区別をつけないようにするかが難しいです.何度も本物が登場しているのがデロリアンです.本物のボディーはステンレスパネルで覆われているので夜でもピカピカなんですが,模型では残念ながらそこまで表現できていません.パート2のシーンの中で実にうまく模型の撮影と本物の撮影が組み合わさった部分がありますので,見つけてみてください.

○ タイム・サーキット

タイムマシンの最初の実験の後,マーティーは過激派から逃げるためにモールの中をデロリアンで走り回ります.このときタイム回路スイッチがONになって1955年に行ってしまうことになるのですが,逃げ回っている最中,スイッチの位置がばらばらです.テロリストに殺されまいと走り出したときはOFF,そのすぐあとのシーンではON,セカンドに入れたときにON,1955年に設定してしまう場面ではOFF→ON,サードに入れたときにOFFに戻る,タイムスリップ直前にはON,といった具合です.

○ どこから来たか?

パート1で,1985年に戻ってきた直後,ドクを助けにモールへ急ぐマーティーがギアを入れようとしたときに映る画面で,"LAST TIME DEPARTED"(出発した時間)が,本来は11月になっているべきところ,OCT(10月)になっています.ちなみに同様の画面が落雷前のエンジンスタートのときにも見られますが,その時点での表示はOCTとなっており,正しい表示になっています.